技能実習から特定技能への移行は必ず許可される?
技能実習を修了した外国人や受入れ企業の方から、「技能実習を終えているので、特定技能は問題なく取得できますよね?」というご質問をいただくことがあります。
しかし、実際には、技能実習を修了していても、特定技能への在留資格変更が不許可になるケースがあります。
特定技能への移行では、
- 外国人本人の要件
- 受入れ企業の要件
- 手続き上の要件
のすべてを満たす必要があります。
今回は、技能実習から特定技能への移行でよくある不許可事例と、その対策について解説します。
不許可原因① 「良好修了」と認められない
最も多い誤解の一つが、「技能実習を終えた=良好修了」という考え方です。
特定技能への試験免除を受けるためには、技能実習2号を良好に修了していることが必要です。
例えば、
- 実習途中で離職
- 実習計画未達成
- 技能評価試験未受験
- 素行上の問題
などがある場合、良好修了と認められない可能性があります。
対策
申請前に、
- 技能実習修了証明書
- 評価調書
- 技能検定合格証明書
を確認しましょう。
不許可原因② 特定技能との分野の関連性がない
技能実習と特定技能には、対応関係があります。
例えば、
| 技能実習 | 特定技能 |
| 農業 | 農業 |
| 介護 | 介護 |
| 建設 | 建設 |
| 飲食料品製造 | 飲食料品製造業 |
などです。
関連性が認められない場合、試験免除の対象にはなりません。
対策
出入国在留管理庁が公表している、「移行対象職種・作業一覧」を必ず確認しましょう。
不許可原因③ 日本語試験免除を誤解している
実務上、非常に多いケースです。
例えば、「技能実習を修了したのでN4は不要」と思っていても、分野が異なれば試験免除にならない場合があります。
また、特定技能「自動車運送業(タクシー)」では、日本語能力試験(JLPT)N3以上が必要です。
対策
- 試験免除の可否
- 分野ごとの日本語要件
を事前に確認しましょう。
不許可原因④ 在留期限ギリギリに申請している
技能実習修了後、慌てて申請するケースがあります。
しかし、
- 書類不足
- 補正依頼
- 審査期間の長期化
が発生すると、予定どおりに変更できないことがあります。
対策
技能実習終了予定日の数か月前から準備を開始しましょう。
不許可原因⑤ 支援計画が不十分
特定技能1号では、外国人支援が義務付けられています。
例えば、
- 生活オリエンテーション
- 行政手続支援
- 定期面談
- 日本語学習支援
などです。
支援体制が不十分な場合、問題になることがあります。
対策
- 自社支援体制を整備する
- 登録支援機関へ委託する
などの対応を行いましょう。
不許可原因⑥ 受入れ企業側の法令違反
外国人本人に問題がなくても、受入れ企業に問題がある場合、不許可となる可能性があります。
例えば、
- 労働基準法違反
- 社会保険未加入
- 税金滞納
- 入管法違反
などです。
対策
申請前にコンプライアンス状況を確認しましょう。
不許可原因⑦ 雇用条件が適正でない
特定技能では、日本人と同等以上の報酬が必要です。
例えば、
- 給与が著しく低い
- 労働時間が不適切
- 手当の計算が不明確
などの場合、問題になることがあります。
対策
雇用契約書と雇用条件書を慎重に確認しましょう。
不許可原因⑧ 提出書類の不備
実務上は、
- 添付漏れ
- 記載ミス
- 日付不整合
- 翻訳漏れ
なども少なくありません。
対策
提出前にチェックリストを作成し、複数回確認しましょう。
不許可を防ぐためのチェックリスト
申請前に、次の項目を確認しましょう。
✅ 技能実習2号の良好修了
✅ 分野の関連性
✅ 日本語要件
✅ 試験免除の可否
✅ 支援体制
✅ 協議会加入
✅ 雇用条件
✅ 在留期限
✅ 添付書類
行政書士へ相談するメリット
技能実習から特定技能への移行では、
- 良好修了確認
- 試験免除確認
- 分野対応確認
- 支援計画作成
- 在留資格変更申請
など、多くの専門的判断が必要です。
専門家へ相談することで、不許可リスクを大きく減らすことができます。
ポー行政書士事務所のサポート
当事務所では、
- 技能実習から特定技能への移行支援
- 在留資格変更許可申請
- 登録支援機関関連業務
- 特定技能受入れ支援
- 外国人雇用コンサルティング
をサポートしております。
まとめ
技能実習から特定技能への移行は、多くのケースで可能ですが、「技能実習を修了したから必ず許可される」わけではありません。
特に、
✔ 良好修了
✔ 分野の関連性
✔ 日本語要件
✔ 支援体制
✔ 企業の法令遵守
を事前に確認することが重要です。
制度を正しく理解し、十分な準備を行うことが、スムーズな特定技能移行につながります。
「まだ依頼するか決めていない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
