「資格外活動許可を取らずにアルバイトをしてしまった」
「留学生で週28時間を超えて働いていた」
「家族滞在の在留資格で働いていたが、資格外活動許可が必要だと知らなかった」
「技術・人文知識・国際業務の在留資格で、副業の許可を取らずに仕事をしていた」
このような相談を受けることがあります。
資格外活動許可が必要な活動を、許可を受けずに行った場合、資格外活動違反となる可能性があります。
また、違反の内容や程度によっては、
- 在留期間更新
- 在留資格変更
- 永住許可申請
- 退去強制手続
などに影響する可能性があります。
この記事では、資格外活動許可なしで働いた場合に何が問題となるのか、留学生・家族滞在・就労資格の方に分けて解説します。
資格外活動許可なしで働くとどうなる?
外国人が日本で行うことのできる活動は、原則として、保有している在留資格によって決められています。
そのため、現在の在留資格で認められていない活動を行う場合には、原則として資格外活動許可が必要です。
例えば、
- 留学生がアルバイトをする
- 家族滞在の方がパートをする
- 技術・人文知識・国際業務の方が別の仕事をする
- 高度専門職の方が本業とは別の活動をする
といった場合です。
必要な資格外活動許可を受けずに働くと、在留資格上の問題となる可能性があります。
出入国在留管理及び難民認定法(入管法)第19条第1項では、在留資格に応じた活動以外の収入を伴う活動等について、原則として資格外活動許可が必要となります。
根拠法令
出入国在留管理及び難民認定法第19条第1項
無許可で資格外活動を行った場合、主に次の罰則が問題になります。
入管法第73条
現在の条文では、原則として、
1年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金、又はこれを併科
の対象となる可能性があります。
「知らなかった」でも問題になる可能性がある
よくあるのが、「資格外活動許可が必要だとは知りませんでした」というケースです。
しかし、資格外活動許可が必要であることを知らなかったとしても、直ちに問題がなくなるとは限りません。
在留資格の制度では、「知らなかったから大丈夫」とは単純に判断できません。
例えば、
- 資格外活動許可を取得していなかった
- 許可された活動とは異なる仕事をしていた
- 許可された時間を超えていた
場合には、実際の活動状況を確認する必要があります。
留学生が資格外活動許可なしで働いた場合
留学生がアルバイトをする場合、原則として資格外活動許可が必要です。
資格外活動許可を受けずに働いた場合、問題となる可能性があります。
例えば、
留学の在留資格
↓
資格外活動許可なし
↓
コンビニでアルバイト
というケースです。
この場合、資格外活動許可を受けずに働いているため、資格外活動違反となる可能性があります。
週28時間を超えて働いた場合
資格外活動許可を取得していても、許可条件に違反してはいけません。
留学生のアルバイトでは、原則として週28時間以内という条件があります。
ただし、週28時間の管理には注意が必要です。
単純に、「月曜日から日曜日までの合計が28時間以内ならよい」と判断するのではなく、どの曜日を起点とした1週間で計算しても28時間を超えないように管理する必要があります。
また、複数のアルバイト先がある場合は、すべての勤務先の勤務時間を合計して確認する必要があります。
例えば、
- A社:週15時間
- B社:週15時間
の場合、合計は週30時間となります。
この場合、週28時間を超えることになります。
家族滞在の方が無許可で働いた場合
家族滞在の在留資格を持つ方がパートやアルバイトをする場合も、原則として資格外活動許可が必要です。
例えば、
家族滞在
↓
資格外活動許可なし
↓
飲食店でパート
という場合です。
家族滞在の方が資格外活動許可を受けた場合、一般的には一定の条件のもとで就労することができます。
しかし、許可を受けずに働いた場合や、許可条件を超えて働いた場合には、在留資格上の問題となる可能性があります。
技術・人文知識・国際業務で無許可の副業をした場合
技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ方も注意が必要です。
例えば、
本業:ITエンジニア
副業:飲食店のアルバイト
という場合です。
飲食店の業務が現在の在留資格の範囲外であれば、資格外活動許可が必要となる可能性があります。
資格外活動許可を受けずに副業を行った場合、資格外活動違反となる可能性があります。
また、
「業務委託だから大丈夫」
「フリーランスだから大丈夫」
ということでもありません。
契約形式ではなく、実際にどのような活動を行ったかが重要です。
高度専門職が無許可で副業をした場合
高度専門職の方も、現在の在留資格で認められている活動の範囲を確認する必要があります。
例えば、
- DJ
- モデル
- 講師
- 通訳
- コンサルティング
- 個人事業
などを行う場合、具体的な活動内容によっては資格外活動許可が必要となる可能性があります。
高度専門職だからといって、すべての副業が自由に認められるわけではありません。
必要な許可を受けずに活動した場合には、在留資格上の問題となる可能性があります。
在留期間更新に影響する可能性
資格外活動許可なしで働いていた場合、在留期間更新の際に問題となる可能性があります。
更新申請では、現在の活動状況だけでなく、過去の在留状況についても確認される場合があります。
例えば、
- 無許可のアルバイト
- 週28時間超過
- 許可内容と異なる活動
などがあった場合には、具体的な事情を説明する必要が生じる可能性があります。
ただし、違反があったからといって、必ず更新が不許可になると一律に決まっているわけではありません。
違反の内容、期間、程度、本人の対応などによって判断される可能性があります。
在留資格変更に影響する可能性
例えば、留学生が卒業後に技術・人文知識・国際業務へ変更する場合です。
過去に、
- 無許可で働いていた
- 週28時間を超えて働いていた
- 長期間、資格外活動の条件に違反していた
などの事情がある場合、在留状況について確認される可能性があります。
在留資格変更では、現在の活動だけでなく、これまでの在留状況も重要となる場合があります。
永住許可申請への影響
永住許可申請を考えている方は、資格外活動について特に注意が必要です。
永住許可申請では、一般に、
- 素行が善良であること
- 独立して生計を営むこと
- 公的義務を適正に履行していること
などが審査されます。
無許可の資格外活動や、資格外活動許可の条件違反がある場合、永住許可申請との関係で問題となる可能性があります。
また、副業収入について、
- 確定申告
- 住民税
- 所得税
などの税務上の処理が適切に行われているかも重要です。
ただし、過去に資格外活動違反があった場合に、必ず永住許可が不許可になると一律に判断することはできません。
具体的な事情を確認する必要があります。
退去強制手続の対象となる可能性
資格外活動違反の内容によっては、退去強制手続との関係が問題となる場合があります。
特に、
- 長期間にわたり違反していた
- 大幅に許可条件を超えていた
- 反復継続して違反していた
- 他の法令違反もある
といった場合には、慎重な対応が必要です。
ただし、具体的な法的評価は、実際の活動内容や違反状況によって異なります。
「無許可で働いてしまった」という場合は、自己判断で放置せず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
雇用主側にもリスクがある
資格外活動許可が必要な外国人を、許可がないことを知りながら雇用した場合、雇用主側にも問題が生じる可能性があります。
いわゆる不法就労助長との関係です。
そのため、外国人を雇用する企業は、
- 在留カード
- 在留資格
- 資格外活動許可
- 許可された活動内容
- 就労可能時間
を確認することが重要です。
特に留学生や家族滞在の方を雇用する場合には、資格外活動許可の有無と条件を確認する必要があります。
無許可で働いてしまった場合の対応
もし、すでに資格外活動許可なしで働いてしまった場合は、まず事実関係を整理します。
確認する内容
- いつから働いたか
- どこで働いたか
- どのような仕事をしたか
- 何時間働いたか
- いくら報酬を受け取ったか
- 資格外活動許可を取得していたか
- 許可条件を超えていたか
- 複数の勤務先があったか
などです。
そのうえで、現在も活動を継続している場合は、必要な手続きを確認します。
重要なのは、「違反してしまったから、何もせずに放置する」ことではありません。
今後の在留資格更新や変更なども見据えて、早めに状況を整理することが大切です。
よくある質問
Q1. 資格外活動許可なしで1日だけ働いても問題になりますか?
期間や時間が短いから必ず問題にならないとは限りません。
実際の活動内容や報酬の有無などを確認する必要があります。
Q2. 週28時間を少し超えただけなら大丈夫ですか?
少しだけであれば必ず問題にならない、とは言えません。
違反の期間や回数、事情などを含めて確認する必要があります。
Q3. 資格外活動許可を取らずに副業してしまいました。今から申請できますか?
今後の活動について必要な許可を検討することはできます。
ただし、過去に無許可で行った活動が自動的に適法になるわけではありません。
過去の活動と今後の活動を分けて整理する必要があります。
Q4. 無許可就労があると永住申請できませんか?
無許可就労があるからといって、必ず永住申請ができなくなると一律に決まっているわけではありません。
ただし、在留状況や法令遵守状況との関係で問題となる可能性があります。
個別の事情を確認する必要があります。
Q5. 無許可で働いたことを入管に自分から申告すべきですか?
具体的な事情によって対応が異なります。
無許可就労の期間、内容、現在の状況などを確認せずに、一律の対応をすることはできません。
不安な場合は、まず専門家に事実関係を整理して相談することをおすすめします。
まとめ|資格外活動許可なしで働いた場合は早めの確認が重要
資格外活動許可が必要な活動を、許可なしで行うと、資格外活動違反となる可能性があります。
また、資格外活動許可を受けていても、
- 週28時間を超えて働く
- 許可された活動と異なる仕事をする
- 許可条件を超えて活動する
場合には問題となる可能性があります。
その影響は、
- 在留期間更新
- 在留資格変更
- 永住許可申請
などに及ぶ可能性があります。
ただし、過去に無許可で働いたことがあるからといって、すべてのケースで同じ結論になるわけではありません。
重要なのは、いつ、どのような活動を、どの程度行ったのかを正確に整理することです。
もし、
「資格外活動許可なしで働いてしまったかもしれない」
「週28時間を超えていたかもしれない」
「副業の許可が必要だったか分からない」
という場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
ポー行政書士事務所へのご相談
ポー行政書士事務所では、資格外活動に関するご相談を承っています。
例えば、
- 資格外活動許可なしで働いてしまった
- 週28時間を超えていたかもしれない
- 留学生時代のアルバイトが心配
- 家族滞在で無許可就労をしていた
- 技人国で無許可の副業をしていた
- 高度専門職で副業の許可が必要だったか確認したい
- 在留資格更新への影響が心配
- 永住申請への影響を確認したい
といったご相談に対応しています。
無許可就労がある場合でも、まずは事実関係を整理することが大切です。
「もしかしたら違反しているかもしれない」という段階からでもご相談いただけます。
早めに状況を確認し、今後の在留資格手続きを検討しましょう。
お気軽にポー行政書士事務所へお問い合わせください。
