「高度専門職1号なら副業は自由にできますか?」
「高度専門職の在留資格で、休日に講師や通訳の仕事をしても大丈夫ですか?」
「モデルやDJ、SNS活動をする場合、資格外活動許可は必要ですか?」
「高度専門職で個人事業を始めることはできますか?」
高度専門職の方からは、このようなご相談を受けることがあります。
高度専門職は、一般的な就労資格と比較して、さまざまな優遇措置が認められています。
しかし、高度専門職だから、どのような仕事でも自由にできるというわけではありません。
特に高度専門職1号の場合、本来の活動とは別に副業や報酬を得る活動を行うときには、その活動が現在の在留資格の範囲内なのか、資格外活動許可が必要なのかを確認する必要があります。
この記事では、高度専門職の資格外活動許可、特に個別許可について、申請前に確認すべきポイントを解説します。
高度専門職でも資格外活動許可が必要になることがある
高度専門職の在留資格は、ポイント制によって高度人材として認められた外国人のための在留資格です。
高度専門職1号には、
- 高度専門職1号イ
- 高度専門職1号ロ
- 高度専門職1号ハ
があります。
それぞれ活動内容が異なります。
例えば、
高度専門職1号イ 研究活動など
高度専門職1号ロ 専門的・技術的な業務
高度専門職1号ハ 経営・管理に関する活動
などが対象となります。
しかし、現在の在留資格で認められている活動とは別の仕事をする場合には、資格外活動許可が必要となる可能性があります。
例えば、高度専門職1号ロとして会社でマーケティング業務を行っている方が、休日に別の活動を行う場合です。
副業の内容によっては、
- 現在の在留資格の範囲内
- 資格外活動許可が必要
- 在留資格変更が必要
のいずれかになる可能性があります。
高度専門職1号の活動範囲をまず確認する
資格外活動許可を検討する前に、最初に確認するべきことがあります。
それは、現在の高度専門職1号で認められている活動の範囲です。
例えば、高度専門職1号ロの方が、現在の専門性を活かして別の会社で同じような専門業務を行う場合、具体的な業務内容によっては、現在の在留資格の活動範囲内となる可能性があります。
一方で、
- DJ
- モデル
- 飲食店での接客
- 一般的なアルバイト
- 講師
- 通訳
- 講演
- 個人事業
- コンサルティング
などは、具体的な活動内容によって判断が変わる可能性があります。
したがって、単に「副業」という名称だけで判断することはできません。
高度専門職の資格外活動許可には「個別許可」が重要
資格外活動許可には、活動の内容や許可の方法によっていくつかの種類があります。
留学生や家族滞在の方によく利用されるのが、一定の範囲内でアルバイトを認める包括的な許可です。
一方で、高度専門職の方が本業とは異なる具体的な活動を行う場合には、個別許可が問題となることがあります。
個別許可では、一般的に、「どのような活動をするのか」を具体的に確認したうえで申請します。
例えば、
- どの会社と契約するのか
- どのような仕事をするのか
- どの程度の頻度で行うのか
- どのくらいの報酬を受けるのか
- どのような資格・経験を活用するのか
などが重要になります。
個別許可では「副業の具体的な内容」が重要
高度専門職の資格外活動許可を申請する場合、単に、「副業をしたい」と説明するだけでは不十分です。
例えば、「講師をします」という説明だけでは、具体的な活動内容が分かりません。
実際には、
- 何を教えるのか
- 誰に教えるのか
- どこで教えるのか
- 何時間程度行うのか
- 雇用契約なのか業務委託なのか
- 報酬はいくらなのか
などを具体的に説明する必要があります。
資格外活動許可では、実際に行う活動の内容が重要です。
高度専門職の副業でよくある活動
高度専門職の方から相談を受けることがある活動には、次のようなものがあります。
講師・セミナー講師
専門知識や経験を活かして、
- 大学
- 専門学校
- 民間スクール
- 企業研修
- オンライン講座
などで講師を行うケースです。
講師活動の内容によっては、現在の在留資格の範囲内となる場合もあります。
一方で、現在の活動とは異なる活動として資格外活動許可が必要となる場合もあります。
通訳・翻訳
高度専門職の方が、休日に通訳や翻訳の仕事を行うケースもあります。
例えば、
- 会議通訳
- 商談通訳
- 観光通訳
- 翻訳業務
- Web記事の翻訳
などです。
現在の在留資格との関係や、具体的な業務内容を確認する必要があります。
モデル活動
本業とは別に、
- ファッションモデル
- 広告モデル
- 撮影
- SNS広告
などの活動を行う場合があります。
報酬を受け取る活動であれば、在留資格との関係を確認することが重要です。
DJ・音楽活動
DJや音楽活動を行う場合も、
- 有償か無償か
- 継続的か単発か
- 店舗との契約があるか
- 報酬の受け取り方
- 活動の頻度
などによって確認事項が変わります。
特に、継続的に報酬を得て活動する場合には、事前に資格外活動許可の必要性を確認することが重要です。
コンサルティング
本業とは別に、個人でコンサルティングを行う場合もあります。
例えば、
- 経営コンサルティング
- マーケティング支援
- SNSコンサルティング
- ITコンサルティング
などです。
コンサルティング活動が現在の在留資格の範囲内であるか、資格外活動許可が必要かを確認する必要があります。
個人事業やフリーランス活動には特に注意
高度専門職の方が、「個人で仕事を受けたい」「会社員をしながら個人事業を始めたい」と考えることもあります。
この場合、活動の規模や内容によっては、単純な資格外活動として扱えるかどうかの確認が必要です。
特に、
- 継続的に事業を行う
- 多数の顧客を持つ
- 事業規模が大きい
- 従業員を雇用する
- 会社を設立する
といった場合には、単なる副業ではなく、別の在留資格との関係を検討する必要が生じることがあります。
資格外活動許可を取得すれば、どのような規模の事業でもできるというわけではありません。
高度専門職1号と2号の違いにも注意
高度専門職には、1号と2号があります。
高度専門職2号は、高度専門職1号で一定期間活動した方などが対象となり、在留期間が無期限となるなど、より大きなメリットがあります。
また、活動範囲についても高度専門職1号とは異なります。
ただし、高度専門職2号についても、「何でも自由にできる」という意味ではありません。
副業や新たな活動を始める場合には、現在の在留資格で認められている活動との関係を確認することが重要です。
特に、複数の活動を組み合わせて行う場合には、在留資格上の整理が必要となる場合があります。
個別許可の申請で確認されるポイント
高度専門職の資格外活動許可を検討する場合、次のような点を整理しておくとよいでしょう。
① 現在の在留資格
- 高度専門職1号イ
- 高度専門職1号ロ
- 高度専門職1号ハ
- 高度専門職2号
などを確認します。
② 本業の内容
現在、どのような会社で、どのような仕事をしているのかを確認します。
③ 副業の具体的な内容
「副業」ではなく、
- 何をするのか
- 誰にサービスを提供するのか
- どのような方法で行うのか
を具体的に説明します。
④ 契約形態
- 雇用契約
- 業務委託契約
- 請負契約
- 個人事業
などを確認します。
⑤ 報酬
報酬の金額や支払方法も重要です。
⑥ 活動時間
本業との両立が可能かどうかを確認します。
⑦ 活動期間
単発の活動なのか、継続的な活動なのかを確認します。
資格外活動許可申請で準備する主な書類
個別許可を申請する場合、一般的には次のような資料を準備します。
- 資格外活動許可申請書
- パスポート
- 在留カード
- 副業の内容が分かる資料
- 雇用契約書
- 業務委託契約書
- 労働条件通知書
- 会社案内
- 事業内容が分かる資料
- 報酬に関する資料
ただし、必要書類は活動内容によって異なります。
例えば、講師活動と個人事業では、必要となる資料が異なる可能性があります。
また、申請時には、
「なぜこの活動を行うのか」
「どの程度の頻度で行うのか」
「本業に支障がないのか」
などを明確に説明することが重要です。
資格外活動許可を取得する前に活動を始めてはいけない
資格外活動許可が必要な活動については、原則として、許可を受ける前に活動を開始しないことが重要です。
例えば、「まず仕事を始めて、後から許可を申請すればよい」と考えるのは危険です。
許可が必要な活動を無許可で行った場合、資格外活動違反となる可能性があります。
将来、
- 在留期間更新
- 在留資格変更
- 永住許可申請
を行う際に、過去の活動が問題となる可能性もあります。
副業を始める場合には、事前に確認することが重要です。
高度専門職の副業と永住申請
高度専門職の方の中には、「将来、永住許可を申請したい」と考えている方も多くいます。
高度専門職は、ポイント制を利用した永住申請との関係で、一定のメリットがあります。
例えば、一定のポイントを満たしている場合、通常より短い在留期間で永住許可申請を検討できる場合があります。
しかし、永住許可申請では、在留状況や法令遵守状況なども重要になります。
そのため、
資格外活動許可が必要な副業を無許可で行っていた
許可された内容と異なる活動をしていた
在留資格の範囲を超えた活動を継続していた
といった事情がある場合、永住申請との関係で問題となる可能性があります。
高度専門職の方が将来の永住申請を考えている場合には、副業についても適切な在留資格管理を行うことが大切です。
よくある質問
Q1. 高度専門職なら資格外活動許可は不要ですか?
いいえ。
高度専門職であっても、現在の在留資格で認められている活動の範囲外の活動を行う場合には、資格外活動許可が必要となる可能性があります。
Q2. 高度専門職1号で副業をする場合、週28時間以内なら大丈夫ですか?
一概には言えません。
高度専門職の副業については、留学生や家族滞在の方のように単純に「週28時間以内ならよい」と判断できるものではありません。
副業の内容や契約形態に応じて、適切な許可や在留資格を確認する必要があります。
Q3. 高度専門職1号でDJをして報酬を受け取れますか?
活動内容や報酬の形態などによって判断が異なります。
継続的に報酬を受け取る場合には、資格外活動許可が必要となる可能性があります。
Q4. 高度専門職で個人事業を始められますか?
事業の内容や規模によって判断が異なります。
小規模な活動として資格外活動許可が問題となる場合もあれば、経営・管理など別の在留資格を検討する必要がある場合もあります。
Q5. 資格外活動許可を申請中でも副業を始められますか?
資格外活動許可が必要な活動については、許可を受ける前に開始しないことが重要です。
まとめ|高度専門職の副業は「個別判断」が重要
高度専門職は、一般的な就労資格と比較して多くの優遇措置があります。
しかし、高度専門職だから、すべての副業が自由にできるというわけではありません。
特に高度専門職1号の方が、
- 講師
- 通訳・翻訳
- モデル
- DJ
- 講演
- コンサルティング
- 個人事業
などを行う場合には、現在の在留資格との関係を確認することが重要です。
副業を始める前に、
- 現在の在留資格で認められる活動か
- 資格外活動許可が必要か
- 個別許可の申請が必要か
- 在留資格変更が必要か
- 将来の永住申請に影響しないか
を確認しましょう。
特に高度専門職の資格外活動許可は、単純に「週28時間以内なら大丈夫」と判断できるものではありません。
具体的な仕事内容や契約内容を確認したうえで、適切な手続きを選択することが重要です。
ポー行政書士事務所へのご相談
ポー行政書士事務所では、高度専門職の在留資格や資格外活動に関するご相談を承っています。
例えば、
- 高度専門職1号で副業をしたい
- 高度専門職1号でDJ活動をしたい
- モデルや講師の仕事をしたい
- 通訳・翻訳の副業をしたい
- 個人事業を始めたい
- 会社を設立して事業を行いたい
- 資格外活動許可が必要か分からない
- 個別許可を申請したい
- 副業が永住申請に影響しないか確認したい
といったご相談に対応しています。
副業を始めてから問題になるよりも、活動を開始する前に確認しておくことが大切です。
「この活動は資格外活動許可が必要?」
「高度専門職でこの副業はできますか?」
という段階からでもご相談いただけます。
お気軽にポー行政書士事務所へお問い合わせください。
